「不動産営業って、高収入で、なんだかキラキラして見えるけど、本当のところはどうなんだろう…？」「営業マンの人たちって、いつも笑顔だけど、裏ではどんな本音を抱えているのかな」。そんな風に、華やかなイメージの裏側に隠された、リアルな姿に興味をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
その気持ち、とてもよく分かります。こんにちは。私は以前、不動産会社で営業として働き、現在は広報として、350人以上もの営業マンの方々に、まさにその「本音」を伺うお仕事をしてきました。その経験からお伝えできるのは、この仕事は、皆さんが想像する以上に厳しく、そして、想像する以上に、とてつもない喜びに満ちている、ということです。
この記事では、私がこれまでに見聞きしてきた、不動産営業マンたちの偽らざる本音を、良いことも悪いことも含めて、包み隠さずお話ししていきたいと思います。このリアルな声に耳を傾けることで、きっと、あなたにとっての「理想の働き方」を見つける、大切なヒントが得られるはずですよ。
この記事でお伝えしたいこと
- 不動産営業マンが、普段は決して口にしない「つらい本音」
- 「この仕事で本当によかった！」と、心から思える「最高の瞬間の本音」
- 理想と現実のギャップから見えてくる、この仕事に本当に向いている人の特徴
- 営業マンの本音を知ることで、自分に合った「最高の職場」を見つけるためのヒント
- ドラマやイメージだけでは分からない、不動産営業という仕事の本当の面白さ
華やかなイメージの裏側。不動産営業マンが抱える「つらい本音」
まずはじめに、少しだけ、心の準備が必要なお話をさせてください。不動産営業マンは、お客様の前では、常に自信に満ちたプロフェッショナルです。でも、その鎧の下には、私たちと同じように、悩み、傷つき、時には心が折れそうになる、一人の人間としての、切実な本音が隠されているんです。
本音1：「お客様は神様」でも、時には理不尽だと感じてしまう…
私たちは、お客様のために全力を尽くすことを誓っています。でも、心の中では、時々こう思ってしまうことがあるんです。「もう少しだけ、こちらの事情も分かっていただけたらな…」と。
不動産は、非常に高額な商品です。だからこそ、お客様が慎重になるのは当然のこと。ですが、時には、その想いが、少しだけ過度な要求となって、私たちにのしかかってくることがあるんですね。
- 深夜や早朝を問わない、お電話やメールでのご質問。
- 何度も繰り返される、大幅な価格交渉。
- 契約書にサインをした後での、些細なことに対するクレーム。
もちろん、これらに誠実に対応するのが、私たちの仕事です。でも、人間ですから、自分のキャパシティを超えそうな時、理不尽だと感じてしまう瞬間があるのも、また、偽らざる本音なんです。
本音2：「数字がすべて」の世界で、自分が何者か分からなくなる…
不動産営業の世界は、良くも悪くも、結果が「数字」として、はっきりと表れます。毎月の売上や契約件数。その数字が、あなたの評価や給与に、ダイレクトに結びついてくるんですね。
月末、目標達成まであと一歩のところでの、あの胃が締め付けられるような焦り。同期が次々と表彰される中、自分だけが未達成だった時の、会議での重苦しい空気。そんな時、ふと、こんな本音が頭をよぎります。
「この会社で、自分は『人間』として見られているんだろうか。それとも、ただの『数字』として見られているだけなんだろうか…」。
お客様にどれだけ尽くしても、どんなに努力をしても、それが契約という数字に結びつかなければ、評価されない。この成果主義の厳しさに、自分の価値そのものを見失いそうになる。そんなつらさを、多くの営業マンが、胸の内に秘めているんです。
本音3：「友達、いなくなっちゃうかも…」と、本気で心配になる…
「今度の週末、空いてる？」友人からの、そんな何気ない誘いに、何度、「ごめん、仕事なんだ…」と、返信したことでしょう。不動産営業の仕事は、お客様のご都合が最優先。土日や祝日は、一番の書き入れ時です。
平日の夜も、お客様との商談や、契約書類の作成で、気づけば終電の時間、なんてことも珍しくありません。友人との約束も、家族との大切な記念日も、仕事のために、諦めなければならないことがある。
そんな生活を続けていると、「自分は、仕事のために生きているんだろうか…」と、虚しい気持ちに襲われることがあります。社会から取り残されていくような、言いようのない孤独感。これもまた、多くの営業マンが抱える、切実な本音の一つです。
でも、だからこそ面白い！営業マンが語る「最高の瞬間の本音」
ここまで、少しだけ、重たいお話をしてしまいましたね。でも、安心してください。不動産営業マンは、こうした「つらい本音」を、軽く吹き飛ばしてしまうほどの、光り輝く「最高の瞬間の本音」も、たくさん持っているんです。これがあるから、私たちは、この仕事をやめられない。そう断言できる、かけがえのない喜びについて、お話しさせてください。
本音4：お客様からの「ありがとう」で、ごはん3杯はいける！
これが、私たちの仕事の、すべての原動力です。何ヶ月も、時には何年もかけて、お客様と一緒に悩み、探し続けてきた、たった一つの理想の住まい。その鍵をお渡しする、引き渡しの日。
お客様が、新しい我が家を前にして、涙ぐみながら、「〇〇さんじゃなかったら、この家には出会えませんでした。本当に、ありがとう」と、深々と頭を下げてくださる。その瞬間、これまで感じてきた、すべての苦労や、理不尽さや、孤独感が、すーっと、溶けてなくなっていくんです。
心の中では、こんな風に叫んでいます。
「ああ、この一言が聞きたくて、自分はこの仕事をしてるんだ！もう、この喜びだけで、明日からも、また一年頑張れる！」
お客様の人生の、最も幸せな瞬間に、一番近くで立ち会える。この特権こそが、不動産営業という仕事の、何物にも代えがたい、最高の報酬なんです。
本音5：ぶっちゃけ、「稼げる」って、やっぱり嬉しい！
きれいごとばかりでは、ありません。自分の頑張りが、目に見える形で報われる。これもまた、この仕事の、大きなモチベーションです。
不動産営業のインセンティブ（歩合給）は、時に、私たちの想像をはるかに超えることがあります。自分が心から良いと信じた物件を、お客様に心から喜んでいただいて、その結果として、自分の通帳に、同年代の友人の年収分くらいのお金が、一気に振り込まれることがある。
その時、思うんです。「自分の実力で、自分の人生を、自分の手で切り拓いている！」と。この、自分の腕一本で夢を掴み取っていく感覚。それは、安定した給料をもらうのとは、また質の違う、アドレナリンが駆け巡るような、興奮と達成感を与えてくれます。正直、この快感は、一度味わうと、病みつきになりますね。
本音6：「昔の自分、青かったなあ」と思える、成長の実感
この仕事は、あなたを、人として、ものすごいスピードで成長させてくれます。法律、税務、金融、建築…。常に新しい知識を学び続けなければ、お客様の信頼には応えられません。
入社したての頃は、お客様からの質問に、しどろもどろになっていた自分が、いつの間にか、どんな難しい交渉も、冷静に、そして巧みにまとめられるようになっている。気づけば、後輩から「〇〇さんみたいになりたいです」と、相談されるようになっている。
そんな時、ふと、昔の自分を思い出して、こう思うんです。「ああ、自分も、少しは成長できたんだな」と。この昨日までの自分を超える、確かな成長実感こそが、この仕事が与えてくれる、大きな自信と、次への活力になるんです。
本音7：人の人生を、ちょっとだけ覗き見できる、特権
私たちは、仕事を通じて、本当に様々な人生と出会います。一代で会社を築き上げた経営者の方。世界中を飛び回るアーティストの方。子育てに奮闘する、若いご夫婦。それぞれの人生には、それぞれのドラマがあり、価値観があり、夢があります。
そんな、普段の生活では決して交わることのなかったであろう、多様な方々の人生に、家探しという、非常にプライベートで、重要な局面で、深く関わらせていただける。その方の人生哲学に触れ、視野を広げ、人間としての深みを増していくことができる。
この仕事は、ただ家を売るだけじゃない。人の人生という、最も尊く、面白い物語を、ほんの少しだけ、一緒に旅をさせてもらえる、特別な仕事なんだ。多くの営業マンが、そんな風に感じているんですよ。
営業マンの本音から見えた、この仕事で本当に輝ける人
さて、これまで、不動産営業マンの「つらい本音」と「最高の瞬間の本音」、その両方をお話ししてきました。この光と影を知った上で、最後に、この仕事に本当に向いているのは、どんな人なのか、私なりの結論をお話しさせてください。
「お金が好き」と「人が好き」を、両立できる人
これが、一番大切な素質かもしれません。「自分の力で稼ぎたい！」という強いハングリー精神と、「お客様に、心から幸せになってほしい」という、深い愛情。この二つは、決して矛盾するものではありません。
むしろ、トップ営業の方々は、「お客様を、誰よりも幸せにすることが、結果として、自分を豊かにしてくれる」ということを、本能的に理解しています。この二つのエンジンを、両方ともフル回転させられる人こそが、この世界で、大きな成功を収めることができるんです。
「タフ」というより「しなやか」な心を持っている人
理不尽なクレームや、厳しい言葉を、真正面から受け止めていたら、どんなに強い人でも、いつか心が折れてしまいます。大切なのは、打たれ強さ、というよりは、「受け流す」しなやかさです。
お客様の怒りを、自分への個人的な攻撃と捉えず、「ああ、お客様は、今、この点について、非常に困っていらっしゃるんだな」と、客観的な「問題」として、冷静に捉え直す。そして、プロとして、淡々と、その問題を解決するために行動する。この、感情と課題を切り離すスキルが、あなたを、つらい状況から救ってくれます。
「知らないこと」を、「面白い」と思える人
不動産業界は、法改正や、市場のトレンドの変化が、非常に速い世界です。昨日までの常識が、今日にはもう通用しない、なんてこともあります。
その変化を、「面倒くさい」と捉えるか、「また新しいことを学べる、面白い！」と、知的好奇心を持って楽しめるか。この違いが、5年後、10年後の、あなたの市場価値を、大きく左右することになります。学び続けることを、苦痛ではなく、喜びと感じられる人にとって、この仕事は、まさに天職と言えるでしょう。
まとめ：不動産営業マンの本音から見えた、仕事のリアルな価値
今回は、不動産営業マンの「本音」という、少しだけ踏み込んだテーマでお話しさせていただきました。最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。
- 不動産営業マンは、華やかなイメージの裏で、数字のプレッシャーや、理不尽さ、プライベートの犠牲といった、「つらい本音」を抱えています。
- しかし、それを遥かに上回る、お客様からの「ありがとう」という言葉や、自己成長の実感、正当な報酬といった、「最高の瞬間の本音」があるからこそ、この仕事を続けているのです。
- この仕事の本当の面白さは、ドラマのような派手なシーンではなく、お客様の人生に深く関わり、その幸せな瞬間に立ち会える、という人間臭い、尊いやりがいにあります。
- この仕事で本当に輝けるのは、「お金」と「人」の両方が好きで、しなやかな心をを持ち、学ぶことが好きな人です。
不動産営業は、決して、楽な仕事ではありません。むしろ、つらいことの方が多い、厳しい世界です。でも、だからこそ、面白い。人の喜びも、悲しみも、夢も、現実も、そのすべてが凝縮された、まるで人生の縮図のような、本当に奥深い仕事なんです。
この記事が、あなたが、ただのイメージに惑わされず、不動産営業という仕事の、本当の価値に気づく、一つのきっかけとなれたなら、これほど嬉しいことはありません。
