不動産営業のインセンティブ、平均額は月いくら?収入を激変させる5つの真実

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こんにちは。「不動産営業はインセンティブで稼げるって聞くけど、平均すると、いったい月にいくらくらい貰えるものなの?」そんな素朴な疑問、ありますよね。平均という言葉には、なんだか安心感がありますけれど、不動産業界の「平均」は、少し特殊かもしれません。

ある人は月に100万円以上のインセンティブを手にし、またある人はゼロ、ということが日常的に起こる世界なんです。だからこそ、単純な平均額だけを見てしまうと、この仕事の本当の可能性を見誤ってしまうかもしれません。

この記事では、私が広報として350人以上の不動産のプロに取材してきた経験から、不動産営業のインセンティブの「平均」という数字の考え方から、あなたの収入を最大化するための具体的な方法まで、詳しくお話ししていきますね。

この記事でお伝えしたいこと

  • 不動産営業のインセンティブの「平均額」という数字の考え方
  • 業種別(売買・賃貸)で見るインセンティブ平均の違い
  • 平均を大きく上回る収入を得るための具体的な5つの戦略
  • あなたの収入の可能性を左右する会社の選び方

不動産営業の「平均インセンティブ」という数字の考え方とリアル

まず最初に、とても大切なことをお話ししますね。それは、不動産営業の世界において、「平均インセンティブ額」という一つの数字は、あまり参考にならないかもしれない、ということです。どうしてなのか、その理由から見ていきましょう。

「平均」という数字のワナ:なぜ一人ひとりの差が激しいのか

不動産営業は、成果が収入に直結する「成果主義」の世界です。ですから、毎月安定して高い成果を上げるトップセールスの方と、まだ経験の浅い新人の方とでは、インセンティブの額に天と地ほどの差が生まれます。

例えば、こんな状況を想像してみてください。

ここに10人の営業担当者がいるチームがあります。
・9人は、その月のインセンティブが0円でした。
・1人だけが、大きな契約を成功させ、1000万円のインセンティブを手にしました。
このチームの「平均インセンティブ額」は、1000万円を10人で割るので、100万円になります。

この「平均100万円」という数字を見て、「このチームに入れば、平均して100万円のインセンティブが貰えるんだ!」と思ってしまうと、少し違いますよね。実際には、9割の人が0円なのですから。これが、不動産業界における「平均」という数字のワナなんです。

リアルな数字で見るインセンティブの目安

では、実態に近い数字をどう考えれば良いのでしょうか。それは、「平均」ではなく「層別」の収入イメージで捉えることです。

私がこれまで取材してきた肌感覚や、様々な会社の給与モデルを参考にすると、売買仲介営業の場合、インセンティブを含めた年収のイメージは、おおよそこのようになります。

【売買仲介営業】年収の層別イメージ(あくまで一例です)

年収の目安特徴
トップ層(上位5%)2,000万円~数億円常に高い成果を出し続ける、一握りのトップセールス。フルコミッションで億を超える人も。
上位層(上位20%)1,000万円~2,000万円店舗のエース級。安定して高いインセンティブを得ており、年収1,000万円は当たり前のレベル。
中堅層(上位50%)600万円~1,000万円コンスタントに契約を上げられる、一人前の営業担当者。会社の中心となる層です。
若手・育成層350万円~600万円固定給が中心。これから成果を出していく段階。インセンティブで年収が大きく変動します。

このように、ご自身がどの層を目指すのか、どの層に到達できそうか、という視点で考える方が、より現実的なキャリアプランを描けるはずです。

ちなみに、厚生労働省が発表している「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、不動産業・物品賃貸業の平均賃金は月額約37万円(平均年齢42.6歳)となっています。これはインセンティブなども含んだ平均ですが、やはり個人差が非常に大きいということを念頭に置く必要がありますね。

なぜインセンティブだけでこれほどの差が生まれるのか?

そもそも、なぜ不動産営業のインセンティブは、これほど高額になり得るのでしょうか。それは、取り扱う商品の金額が大きく、会社にもたらす利益も莫大だからです。

一件数千万円の取引が成立すれば、会社には百万円単位の仲介手数料が入ります。その大きな利益を原資として、成果を上げた個人に大きく還元する仕組みが、インセンティブ制度なんですね。

だからこそ、成果を出せる人と出せない人で、収入に何倍、何十倍もの差が生まれる。これが、不動産営業の世界のリアルな姿なんです。


平均を突き抜ける!インセンティブを最大化するための5つの戦略

「平均」が参考にならないのであれば、目指すべきは「平均を大きく上回る」ことですよね。では、高いインセンティブを安定して稼いでいる営業パーソンは、一体何をしているのでしょうか。彼らに共通する、5つの具体的な戦略をご紹介します。

戦略1:インセンティブ割合の高い「会社・業態」を戦略的に選ぶ

インセンティブで稼ぐ上で、最もシンプルかつ重要なのが、そもそもインセンティブの割合(歩合率)が高い会社を選ぶことです。同じ成果を出しても、この割合が違えば、手にする金額は大きく変わります。

一般的に、売買仲介のインセンティブ割合は5%〜20%が相場ですが、中には20%を超える高い割合を設定している会社もあります。また、固定給がゼロの「フルコミッション」という働き方を選べば、割合は50%以上になることも。

もちろん、割合が高い会社は固定給が低かったり、競争が激しかったりするという側面もあります。ご自身の経験やリスク許容度と相談しながら、最も効率的に稼げる環境を戦略的に選ぶ視点が大切です。

戦略2:「売り営業(物件の仕入れ)」を制する

不動産仲介の仕事は、「買いたい人」を見つける営業と、「売りたい人」から物件を預かる営業に分かれます。このうち、トップセールスの多くは、「売りたい人」から物件を預かる「売り営業(仕入れ)」に、圧倒的な強みを持っています。

なぜなら、魅力的な物件を「媒介契約」という形で預かることができれば、その物件情報の源泉を握ることができるからです。「買いたい人」は、その物件を目指して、広告などを見て集まってきてくれます。つまり、ビジネスの主導権を握り、安定して成果を上げやすくなるんですね。

「どうすれば、お客さまから大切な資産である不動産の売却を任せていただけるか」を考え抜き、信頼関係を築くスキルこそが、高額インセンティブへの一番の近道だと言えるかもしれません。

戦略3:高単価エリア・物件に特化する

インセンティブの額は、「仲介手数料」に「割合」を掛けて計算されます。そして、仲介手数料は「物件価格」に比例します。これはつまり、扱う物件の価格が高ければ高いほど、同じ労力でも得られるインセンティブ額は大きくなる、ということです。

例えば、同じ一件の契約でも、3,000万円の物件と、1億円の物件とでは、インセンティブ額に3倍以上の差が生まれます。そのため、稼ぐ営業パーソンは、都心部の高級住宅街や、タワーマンション、富裕層向けの投資用不動産など、高単価な取引が生まれやすい市場を、意図的に選んで戦っています

もちろん、そうした市場で戦うには、相応の知識や品格も求められます。ですが、平均を突き抜けたいのであれば、どの土俵で相撲を取るかを考えることは、非常に重要な戦略なんです。

戦略4:「紹介(リファラル)」のサイクルを自ら構築する

常に新規のお客さまを探し続けるのは、とても大変なことです。トップセールスの方々は、広告だけに頼るのではなく、一度お取引をしたお客さまからの「紹介」で、新しいご縁を繋いでいくのが非常に上手です。

「〇〇さんの紹介なら、安心してお任せできます」という形で始まる商談は、すでにある程度の信頼関係が築かれているため、成約率も格段に高くなります。この「紹介のサイクル」を自分の力で回せるようになると、営業成績は雪だるま式に安定し、インセンティブも大きく伸びていきます。

そのためには、目先の契約だけでなく、お客さま一人ひとりに心から満足していただき、長期的な信頼関係を築くという、地道な努力が欠かせません。

戦略5:専門知識で「付加価値」の高いコンサルタントになる

ただ物件を右から左へ紹介するだけの営業では、平均を超えることは難しいかもしれません。稼ぐ営業パーソンは、不動産のプロとして、お客さまの資産形成やライフプラン全体を見据えた「コンサルティング」を提供しています。

そのためには、宅建士の資格はもちろん、ファイナンシャルプランナー(FP)の知識、住宅ローンや税金、相続に関する深い知見が不可欠です。「この人に相談すれば、不動産以外のことも含めて、最適な提案をしてくれる」という、替えの効かない専門家になること。

この高い付加価値こそが、お客さまからの絶大な信頼と、結果としての高額なインセンティブに繋がっているんですね。


平均を大きく左右する!業種別インセンティブの特徴と働き方

不動産営業と一言で言っても、その業種によって、インセンティブの考え方や平均的な水準は大きく異なります。ご自身の性格や、仕事に求めるものと照らし合わせながら、どの世界が合っているかを考えてみてくださいね。

ここでは、代表的な4つの業種について、インセンティブの平均的な特徴を見ていきましょう。

【売買仲介】高単価・高インセンティブで、人生の大きな決断に寄り添う

特徴:一件あたりの取引額が大きく、インセンティブも高額になりやすい、不動産営業の王道です。
働き方:契約までの期間が長く、法律や税金など、幅広い専門知識が求められます。お客さまの人生に深く関わる、大きなやりがいのある仕事です。
インセンティブ平均の傾向個人の成果によって、最も収入の振れ幅が大きい業種です。トップ層は年収数千万円も珍しくありません。

【賃貸仲介】スピードと件数で勝負し、新生活のスタートを支える

特徴:お部屋探しのお手伝いをする、身近な不動産営業です。一件あたりの単価は低いですが、契約件数をこなしやすいのが特徴です。
働き方:来店されたお客さまへのスピーディーな対応が求められます。多くのお客さまの新生活をサポートする、喜びを感じやすい仕事です。
インセンティブ平均の傾向:売買に比べると、インセンティブの平均額や上限は低めですが、未経験からでも比較的早く成果を出しやすいのが魅力です。

【投資用不動産】専門知識を武器に、富裕層の資産形成を担う

特徴:投資家や富裕層を顧客とし、収益を生むための不動産を扱います。扱う金額は非常に高額で、金融や経済の知識が不可欠です。
働き方:緻密な収支シミュレーションや、マーケット分析に基づいた、高度な提案力が求められます。まさに、資産運用のプロフェッショナルです。
インセンティブ平均の傾向全業種の中で、インセンティブの平均額・上限額ともにトップクラスです。一件で数百万のインセンティブということもあり得ます。

【ハウスメーカー・デベロッパー】自社ブランドを背負い、夢のマイホームを売る

特徴:自社で建築・開発した新築戸建てやマンションを販売します。モデルハウスでの接客が中心となります。
働き方:会社のブランド力や商品力が、営業活動を後押ししてくれます。インセンティブは、歩合給よりも賞与(ボーナス)に反映されることが多いです。
インセンティブ平均の傾向:爆発的なインセンティブは狙いにくい反面、固定給が高く、収入が安定している傾向があります。安定志向の方に向いています。


まとめ:不動産営業の「平均」インセンティブ額を知り、自分の可能性を最大化するために

今回は、不動産営業のインセンティブについて、「平均」という数字の考え方から、平均を突き抜けて稼ぐための具体的な戦略まで、詳しくお話ししてきました。最後に、大切なポイントをもう一度、整理しておきましょう。

不動産営業のインセンティブ平均と、収入の可能性についてのまとめ

  • 「平均」は参考にならない
    不動産営業のインセンティブは、個人の成果によって天と地ほどの差が生まれます。「平均」という一つの数字ではなく、「層別」の収入イメージで捉えることが大切です。
  • 平均を突き抜ける5つの戦略
    「インセンティブ割合の高い会社を選ぶ」「売り営業を制する」「高単価市場で戦う」「紹介サイクルを築く」「専門知識で付加価値を高める」ことが、高収入への鍵です。
  • 業種によって平均の考え方は違う
    売買、賃貸、投資用、ハウスメーカーなど、業種ごとにインセンティブの相場や働き方は大きく異なります。ご自身の志向に合った業種を選ぶことが、成功への第一歩です。
  • 重要なのは「稼げる環境」
    最終的な収入を左右するのは、インセンティブの割合だけでなく、会社の集客力や教育体制といった、あなたを成長させてくれる「環境」そのものです。

不動産営業の世界は、確かに厳しい一面もありますが、それ以上に、あなたの努力と工夫が、他のどんな仕事よりも明確な形で報われる、大きな可能性に満ちた世界です。

この記事が、あなたがご自身のキャリアを考え、新しい一歩を踏み出すための、有益な情報となれば嬉しく思います。