不動産営業はチャラいって本当?元営業が明かす7つの実像と誤解のワケ

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「不動産営業って、なんだかチャラそう…」「口がうまくて、ちょっとノリが軽い感じの人が多そうだな」。そんなイメージから、不動産業界への転職に、少しだけブレーキがかかってしまっている方もいらっしゃるかもしれません。お気持ち、とてもよく分かります。

でも、もしそのイメージだけで、大きな可能性を秘めたこの業界への挑戦を諦めてしまうとしたら、それはとってももったいないことかもしれませんよ。こんにちは。私は以前、大手不動産会社で営業を経験し、現在は広報として350人以上もの営業の方々を取材してきました。

そんな私の経験から申し上げますと、その「チャラい」というイメージは、ほんの一部分を切り取ったもので、決して業界の全てを表しているわけではないんです。この記事では、なぜそんなイメージが生まれたのか、現場で本当に活躍しているのはどんな人たちなのか、そして「チャラさ」と「仕事ができること」の意外な関係性について、一つひとつ丁寧に、紐解いていきたいと思います。

この記事でお伝えしたいこと

  • なぜ不動産営業は「チャラい」と思われがちなのか、その本当の理由
  • 元営業が解説!現場で活躍する営業マンのリアルな人物像7タイプ
  • 「チャラさ」と「一流のコミュニケーション能力」の決定的な違い
  • お客様から本当に信頼される営業になるための、大切な心構え
  • チャラくない、誠実な社風の優良企業を見抜くためのポイント

なぜ「不動産 営業はチャラい」というイメージが定着したの?

まずはじめに、この根強い「チャラい」というイメージが、一体どこから来たのか、その背景について考えてみたいと思います。理由を知ることで、世間のイメージが、必ずしも不動産業界の真実ではない、ということがきっとお分かりいただけるはずです。

理由1:成果主義が生み出した「稼ぐが正義」の文化

不動産営業の世界は、成果が給与にダイレクトに反映される「成果主義」を採用している会社がとても多いです。頑張って契約をいただければ、その分インセンティブ(歩合給)としてお給料が増える、という分かりやすい仕組みなんですね。

この仕組みがあるからこそ、若くして年収1,000万円以上を稼ぐ、いわゆる「トップセールス」が生まれます。そして、その成功の証として、高級なスーツや時計を身につけたり、羽振りの良い生活を送ったりする人も出てきます。こうした目に見える華やかさが、周囲からは「派手」「チャラい」と見えてしまう一因になっているんです。

理由2:高い「コミュニケーション能力」への誤解

不動産営業は、お客様との信頼関係が何よりも大切な仕事です。初めてお会いしたお客様の警戒心を解き、心を開いて本音でお話しいただくためには、非常に高いコミュニケーション能力が求められます。

相手に合わせて話題を変えたり、時にはユーモアを交えて場の空気を和ませたり。こうしたスキルは、お客様に安心していただくために不可欠なものです。しかし、人によっては、そのよどみない会話や、人懐っこい態度が、「口がうまいだけ」「なんだか軽薄そう」と、ネガティブに映ってしまうことがあるんですね。

理由3:一部の営業スタイルとメディアによる誇張

特に、投資用不動産の営業などでは、新規のお客様を獲得するために、電話で積極的にアプローチするような営業スタイルが取られることがあります。こうした、いわば「攻め」の姿勢が、強引で「チャラい」というイメージにつながっている側面も否定できません。

また、テレビドラマや映画で描かれる不動産営業マンの姿も、大きな影響を与えています。物語を面白くするために、自信家で、口が達者で、少し強引なキャラクターとして描かれることが多いですよね。こうしたフィクションの世界の登場人物像が、いつのまにか業界全体のイメージとして定着してしまった、という面も大きいと思います。

理由4:「プロとしての見た目」へのこだわりが裏目に

デキる営業ほど、身だしなみに気を配っています。ヨレヨレのスーツを着た人より、ビシッとサイズの合ったスーツを着こなしている人の方が、信頼できそうに見えますよね。これは、お客様に安心感を与えるための、プロとしての当然の配慮です。

しかし、この「きちんとして見える」ことへのこだわりが、人によっては「見た目ばかり気にしている」「見栄っ張りでチャラチャラしている」と、少し斜めから見られてしまうことがある。これも、悲しい誤解の一つなんです。


【実態解明】本当にいるの?不動産営業のリアルな人物像7タイプ

「チャラい」というイメージが、ある種の誤解や偏見から生まれている部分もある、ということをお話ししました。では、実際の現場では、どんな人たちが活躍しているのでしょうか。私がこれまで取材してきた中で出会った、多様な営業の方々を、7つのタイプに分けてご紹介しますね。きっと「不動産営業って、こんな人もいるんだ!」という発見があるはずです。

タイプ1:天性の人たらし「愛されチャラ系」

まず、皆さんがイメージする「チャラい」に最も近いのが、このタイプかもしれません。確かに、彼らは存在します。しかし、ただチャラいだけではないんです。

  • 特徴:とにかく明るく、ポジティブで、コミュニケーション能力がずば抜けています。初対面の人ともすぐに打ち解け、その場の空気をパッと明るくする力を持っています。
  • 強み天性の人懐っこさで、お客様の心の壁をいとも簡単に取り払ってしまうことです。理屈ではなく、「なんだかこの人、面白いから話を聞いてみようかな」と思わせる才能があります。お客様からも、会社の同僚からも愛される、不思議な魅力の持ち主です。

タイプ2:誠実さがにじみ出る「聞き上手な紳士」

「愛されチャラ系」とは、まさに対極にいるのがこのタイプ。物静かで、派手さはありませんが、お客様からの信頼は絶大です。

  • 特徴:口数は多くありませんが、お客様の話を、深く、丁寧に聞くことを何よりも大切にします。物腰が柔らかく、共感力が高いため、お客様も安心して本音を打ち明けてくれます。
  • 強みじっくりと時間をかけて、お客様との間に揺るぎない信頼関係を築けること。「あなただから、お願いしたい」と、紹介で次のお客様につながっていくことが多いのが、このタイプの特徴です。

タイプ3:ロジックで攻める「インテリ専門家」

情熱や人柄だけでなく、圧倒的な知識とデータで、お客様を成功へと導く専門家タイプです。

  • 特徴:宅建士の資格はもちろん、法律や税務、金融に関する知識が非常に豊富です。常に最新の市場データを分析し、物事を客観的・論理的に考えるのが得意です。
  • 強み:専門的で難しい内容を、誰にでも分かるように、かみ砕いて説明する能力に長けています。その的確で、根拠のある提案が、お客様に大きな安心感と納得感を与えます。

タイプ4:目標達成に燃える「熱血アスリート」

学生時代、部活動に打ち込んでいたような、体育会系の熱血タイプです。その情熱が、周りを巻き込んでいきます。

  • 特徴:とにかく元気で、声が大きく、目標達成への意欲が人一倍強いです。少し暑苦しいくらいに、仕事への情熱を語ります。
  • 強み:その真っ直ぐな熱意が、お客様の「よし、決めた!」という最後の一押しになることがあります。少し迷っているお客様の背中を、力強く押してあげられる頼もしさを持っています。

どのタイプが優れている、というわけではありません。それぞれが自分の強みを活かして、お客様と向き合っているんです。大切なのは、あなた自身がどのタイプに近いか、どんなスタイルで働きたいかを考えることですね。

タイプ5:地道な努力を重ねる「真面目な職人」

華やかなスポットライトを浴びることは少ないかもしれませんが、会社にとって絶対に欠かせないのが、この職人タイプです。

  • 特徴:真面目で、継続力があります。誰も見ていないところでの努力を、一切怠りません。物件の調査や、契約書類の準備など、一つひとつの仕事を、驚くほど正確かつ丁寧に進めます。
  • 強み:その丁寧で誠実な仕事ぶりから、ミスが極めて少なく、お客様や会社からの信頼が非常に厚いです。このタイプの人がいるからこそ、営業組織は安心して活動できるんです。

タイプ6:フットワークの軽い「情報通」

とにかく顔が広く、常にアンテナを張り巡らせている情報通タイプ。彼らの周りには、いつも新鮮な情報が集まってきます。

  • 特徴:好奇心旺盛で、フットワークが軽いです。お客様だけでなく、他の不動産会社の担当者や、地域の商店主、リフォーム業者さんなど、あらゆる人とネットワークを築いています。
  • 強みまだインターネットにも出ていないような、貴重な「未公開物件」の情報を、独自の人脈から仕入れてくることがあります。この情報力が、大きな武器になります。

タイプ7:お客様に寄り添う「優しいカウンセラー」

不動産のプロとしてだけでなく、お客様の人生の良き相談相手となる、カウンセラーのようなタイプです。

  • 特徴:共感能力が非常に高く、お客様の不安や悩みに、自分のことのように寄り添います。不動産の話だけでなく、お子様のことや、将来の夢など、人生そのものの話にまで耳を傾けます。
  • 強みお客様の心の奥底にある、言葉にならない「本当の願い」を汲み取る力です。その深い理解に基づいた提案は、お客様の心を強く打ち、「この人になら、人生を任せられる」というほどの信頼を得ることができます。

誤解されやすい「チャラさ」と「一流の対人スキル」の境界線

7つのタイプをご覧いただいて、不動産営業の人物像がいかに多様であるか、感じていただけたかと思います。ここで、もう一歩踏み込んで、「チャラい」と見られがちな行動が、実はなぜ「一流のスキル」と言えるのか、その本質について考えてみましょう。

その境界線を分けるのは、ただ一つ。その行動が「自分のため」なのか、それとも「お客様のため」なのか、という点に尽きるんです。

「口が上手い」は「相手の心を開く質問力」

「チャラい」人は、自分が話したいことを一方的に話します。でも、一流の営業は、お客様が話しやすい雰囲気を作り、本音を引き出すための「質問」を巧みに投げかけています。「最近、何かハマっていることはありますか?」といった雑談から、お客様の人柄や価値観を理解しようと努めているんです。これは、ただのおしゃべりではなく、高度なヒアリング技術なんですよ。

「ノリが軽い」は「場の空気を読む適応力」

「チャラい」人は、どんな相手にも同じノリで接します。でも、一流の営業は、お客様の性格や、その場の雰囲気を瞬時に読み取り、自分のキャラクターや話し方を柔軟に変化させています。真面目なお客様には真摯な態度で、明るいお客様には少しユーモアを交えて。これは、相手に心地よい時間を提供するための、優れた適応力なんです。

「馴れ馴れしい」は「心理的な壁を取り払う懐に入る力」

「チャラい」人は、相手との距離感を考えず、土足で心に踏み込みます。でも、一流の営業は、あえて少しだけフランクに接することで、お客様の「営業される」という警戒心を解き、本音で何でも話せる「パートナー」としての関係性を築こうと、意識的に距離を縮めているのです。

もちろん、これらのスキルも、お客様への敬意を欠いてしまえば、ただの「チャラさ」になってしまいます。しかし、根底に「お客様のお役に立ちたい」という誠実な想いがあれば、それはお客様との信頼関係を築くための、最強の武器になるんです。


チャラくない、誠実な会社の見つけ方とまとめ

最後に、この記事のまとめとして、これから不動産業界を目指すあなたが、「チャラい」だけの会社ではなく、本当にお客様を大切にする、誠実な会社と出会うためのヒントをお伝えしますね。

誠実な会社を見抜くための3つの着眼点

  1. 企業のHPで「お客様の声」の質を見る
    ただ「満足しました」という声だけでなく、お客様の顔写真や、具体的な感謝のエピソードが、営業担当者の名前と共に詳しく掲載されているかを見てみましょう。お客様との良い関係性を、自信を持って公開している会社は、信頼できる可能性が高いです。
  2. 面接で「評価制度」について質問する
    「どのような方が、御社では高く評価されていますか?」と質問してみてください。その答えが、契約件数や売上といった数字の話だけでなく、「お客様からのアンケート評価」や「ご紹介をいただけること」「社内での協力姿勢」といった言葉であれば、その会社は社員の誠実さを大切にしている証拠です。
  3. 社員の「聞く姿勢」を観察する
    面接は、あなたが会社を見極める絶好の機会です。面接官が、あなたの話を遮ったり、一方的に会社の自慢話ばかりしたりせず、あなたの言葉に真剣に耳を傾け、深く理解しようとしてくれるか。社員のその姿勢が、会社の顧客に対する姿勢を映す鏡になります。

こうした視点を持つことで、表面的な情報に惑わされず、企業の本当の姿を見抜くことができるようになりますよ。

「不動産 営業がチャラい」という誤解のワケと実像のまとめ

この記事でお伝えしたかった、大切なポイントを最後にまとめますね。

  • 不動産営業の「チャラい」というイメージは、成果主義の文化や、一部の営業スタイル、メディアの誇張などから生まれた、少し偏ったものです。
  • 実際の現場では、「愛されチャラ系」から「真面目な職人」タイプまで、実に7つもの多様な人物像が、それぞれの強みを活かして活躍しています。
  • 「チャラい」と誤解されがちな行動は、その根底に「お客様本位」の想いがあれば、それは「一流の対人スキル」へと昇華します。
  • 最も大切なのは、あなた自身がどんなタイプの営業になりたいかを考え、顧客志向が根付いた、誠実な社風の会社を選ぶことです。

不動産営業は、確かにコミュニケーション能力が求められる、華やかな側面のあるお仕事です。でも、その根幹を支えているのは、お客様の人生に寄り添う、どこまでも真面目で、誠実な心です。「チャラそう」というイメージだけで、この奥深い仕事の可能性を閉ざしてしまわないでくださいね。

この記事が、あなたが抱いていた誤解を解き、不動産営業という仕事の本当の魅力に気づく、一つのきっかけとなれたなら、これほど嬉しいことはありません。