夜は自分次第！元営業が教える不動産営業のリアルと夜時間の有効活用術7選

こんにちは。不動産業界へのご就職や転職をお考えなのですね。「不動産営業」と聞くと、お給料は良いけれど、夜遅くまでの残業やお客様対応で、自分の時間なんてないのでは…？そんな風に思われる方も少なくないかもしれません。

確かに、お客様のご都合に合わせて夜に商談が入ったり、急なご案内に対応したりすることもあります。でも、実は不動産営業の夜の時間の使い方は、思っている以上に多様で、自分次第でコントロールできる部分もたくさんあるんですよ。

私自身、営業として働いていた頃は、夜の時間を使って資格の勉強をしたり、趣味の時間を楽しんだりしていました。この記事では、不動産営業の「夜」という時間に対するイメージと実態のギャップから、具体的な時間の使い方、そして自分らしい働き方ができる会社の見つけ方まで、私の経験を交えながら詳しくお伝えしていきたいと思います。

この記事でお伝えしたいこと

不動産営業の「夜」に対する一般的なイメージと本当のところ
不動産営業マンが夜に何をしているかの具体的な7つのパターン
夜の時間を上手にコントロールしている営業マンの働き方
ワークライフバランスを重視した不動産会社の選び方と見極めのコツ

不動産営業の夜はブラック？イメージと実態のギャップを解説
不動産営業の夜の過ごし方7パターン【仕事からプライベートまで】
「夜」の時間をコントロールできる不動産営業求人の見極め方

不動産営業の夜はブラック？イメージと実態のギャップを解説

まずは、多くの方が抱いている「不動産営業の夜は大変そう」というイメージについて、その実態を一緒に見ていきましょう。なぜそう思われるのか、そして実際はどうなのかを知ることで、漠然とした不安が解消されるかもしれません。

なぜ「夜が大変」というイメージがあるのでしょうか？

不動産営業に「夜が大変」というイメージがつきまとうのには、いくつかの理由があるんです。

お客様の都合が夜に集中しやすい
特に個人のお客様を相手にする売買仲介や賃貸仲介では、お客様の多くが日中はお仕事をされています。そのため、お仕事終わりの平日19時以降や土日に、ご相談や内見、契約手続きなどが集中しがちなんですよね。

成果主義の文化と長時間労働

不動産業界は、成果が直接お給料に反映される歩合給（インセンティブ）制度を導入している会社が多いのが特徴です。稼ぎたいという強い想いから、お客様を見つけるための活動や自己研鑽に多くの時間を費やし、結果として労働時間が長くなるという方もいらっしゃいます。

昔ながらの業界イメージ

少し前までは、「夜討ち朝駆け」という言葉があるように、時間に関係なくお客様のもとへ訪問するような、体育会系の営業スタイルが主流だった時代もありました。その頃のイメージが、今でも強く残っているのかもしれませんね。

実際はどう？職種によっても違う「夜の働き方」

「不動産営業」と一括りに言っても、扱う物件やお客様によって仕事内容は大きく異なり、それに伴って夜の働き方も変わってきます。ここでは代表的な職種を例に見てみましょう。

【売買仲介営業の場合】

個人のお客様のお住まいの売買をお手伝いするお仕事です。数千万円から時には億を超える大きなお買い物のため、お客様も慎重になります。

夜の主な活動：お客様との打ち合わせ、資金計画の相談、契約内容のすり合わせ、書類作成など。
特徴：お客様のご都合に合わせることが最も重要視されるため、夜の商談は多くなります。ただし、毎日商談があるわけではなく、メリハリをつけて働くことが可能です。

【賃貸仲介営業の場合】

お部屋を借りたいお客様に物件をご紹介し、契約までをサポートします。

夜の主な活動：店舗の閉店後に行う事務作業、翌日の内見準備、Webサイトへの物件情報登録など。
特徴：お客様は日中に内見に来られることが多いですが、お仕事帰りに立ち寄られる方もいます。売買に比べると1件あたりの単価は低いですが、回転率が速いため、効率的な事務処理能力が求められます。

【法人営業・開発事業の場合】

オフィスビルや店舗用地、マンション開発用地などを扱う、企業相手のお仕事です。

夜の主な活動：取引先の担当者との会食（接待）、情報交換会への参加、企画書の作成など。
特徴：個人向け営業とは異なり、日中の業務が中心ですが、人脈形成や情報収集のための会食が夜に行われることがあります。扱う金額が非常に大きいため、長期的な視点での関係構築が大切になります。

【不動産管理の場合】

マンションやビルのオーナー様に代わって、物件の維持管理や入居者様の対応を行います。

夜の主な活動：基本的には定時での退社が多いですが、水漏れや設備故障といった緊急事態が発生した際には、夜間でも対応が必要になることがあります。
特徴：営業職とは少し毛色が違い、比較的スケジュールが読みやすいお仕事です。ただし、緊急時の対応力が求められる場面もあります。

「昔と今」で大きく変わった不動産業界の働き方

先ほど「昔ながらのイメージ」というお話をしましたが、今の不動産業界は、当時とは大きく変わりつつあるんですよ。

テクノロジーの活用（不動産テック）

一番大きな変化は、IT技術の導入、いわゆる「不動産テック」の進展です。

オンライン内見：お客様が現地に行かなくても、スマートフォンやパソコンで物件の内部を見学できます。これにより、営業担当者の移動時間を大幅に削減できるようになりました。
IT重説：これまで対面が義務付けられていた「重要事項説明」が、オンラインでも可能になりました。遠方のお客様にも対応しやすくなったんです。(国土交通省：ITを活用した重要事項説明)
電子契約：売買契約や賃貸借契約も電子化が進み、書類のやり取りや署名・捺印の手間が省け、業務がとてもスムーズになりました。

これらの技術のおかげで、移動時間や事務作業にかかる時間が短縮され、以前よりも効率的に働ける環境が整ってきているんです。結果として、夜の時間を自分のために使いやすくなった、という声もよく聞きます。

働き方改革の浸透

社会全体の流れとして、不動産業界でもワークライフバランスを重視する企業が増えています。

定時退社の推奨：ノー残業デーを設けたり、勤怠管理を徹底したりする会社が増えました。
休日取得の徹底：以前は「休日に出勤して当たり前」という雰囲気の会社もありましたが、今はコンプライアンス（法令遵守）の意識が高まり、しっかりと休日を取らせる会社が主流です。

もちろん、すべての会社がそうだとは言い切れませんが、業界全体として「長時間働けば良い」という考え方から、「限られた時間で成果を出す」という考え方へとシフトしているのは間違いありません。

不動産営業の夜の過ごし方7パターン【仕事からプライベートまで】

では、具体的に不動産営業の方々は、夜の時間をどのように使っているのでしょうか。私がこれまで取材してきた350人以上の営業スタッフの方々のお話や、自身の経験を基に、代表的な7つの過ごし方をご紹介しますね。

パターン1：お客様との時間（商談・打ち合わせ）

これは、皆さんが最もイメージしやすい夜の過ごし方かもしれませんね。お客様が日中お仕事をされている場合、お仕事終わりの夜の時間に商談や打ち合わせを行うのは、お客様に寄り添う上でとても大切なことです。

特に、共働きのご夫婦がお客様の場合、お二人が揃う時間は平日の夜か週末に限られてきます。人生で一番大きなお買い物とも言われる住宅購入ですから、ご夫婦でじっくりご相談いただくためにも、夜の時間は貴重な機会となるんです。

ただ、これは「毎日夜遅くまで商談漬け」という意味ではありません。事前にアポイントメントを取って、計画的に行うものです。できる営業マンほど、お客様との打ち合わせを効率的に設定し、それ以外の時間をうまく作り出している印象があります。

パターン2：夜だからこそできる物件確認（夜の内見）

日中の明るい時間帯に物件を見るのはもちろん基本ですが、「夜の物件の状態」も、お客様にとっては非常に重要な情報なんです。

周辺の明るさ：最寄り駅から物件までの道のりに、街灯は十分に設置されているか。女性や子供が夜道を歩いても安心できるか。
騒音の確認：日中は静かでも、夜になると交通量が増えたり、近隣の商業施設からの音が気になったりすることがあります。
近隣住民の生活音：集合住宅の場合、上下左右の部屋からの生活音がどの程度聞こえるかは、夜の方が確認しやすい場合があります。
夜景や雰囲気：タワーマンションなどでは、夜景も物件の魅力の一つになりますよね。

お客様をご案内する前に、営業担当者が一人で夜の物件周りをチェックしに行くこともあります。お客様が気づかないかもしれないリスクや魅力を事前に把握しておくことで、より質の高い提案ができるようになるんです。

パターン3：集中できる時間での事務作業と翌日の準備

日中は電話が鳴りやまなかったり、急な来客があったりと、なかなか集中して事務作業をする時間を確保するのが難しいものです。そのため、お客様対応が落ち着いた夜の時間に、集中して事務作業を行うという方も多いんですよ。

【夜に行う主な事務作業】

作業内容	具体的な中身
契約書類の作成	売買契約書や重要事項説明書など、法律の知識が求められる重要な書類を作成します。ミスが許されないため、静かな環境で集中して行います。
物件資料の準備	翌日にお客様にご紹介する物件の資料（パンフレット、登記情報、ハザードマップなど）を揃えて、ファイリングします。
顧客管理	その日にお会いしたお客様の情報を顧客管理システム（CRM）に入力し、次に行うべきアクション（電話、メール送付など）を整理します。
追客リストの整理	すぐに契約には至らなかったけれど、今後見込みのあるお客様のリストを整理し、アプローチの計画を立てます。

これらの準備を夜のうちにしっかりしておくことで、翌日の日中をより効率的に、お客様のための時間として使えるようになるわけですね。

パターン4：キャリアアップのための自己研鑽

成果を出している営業マンほど、見えないところで努力をしています。夜の時間は、自分を成長させるための絶好の投資時間でもあるんです。

「どんな勉強をしているの？」と疑問に思われるかもしれませんね。代表的なものをいくつかご紹介します。

資格の勉強：不動産業界で働く上で最も重要と言われる「宅地建物取引士（宅建士）」の資格取得は、多くの方が目指します。他にも、お金の専門家である「ファイナンシャル・プランナー（FP）」や、住宅ローンの知識を深める「住宅ローンアドバイザー」など、お客様への提案の幅を広げるための資格はたくさんあります。
市況や法改正の情報収集：不動産の価値や法律は常に変化しています。最新のニュースをチェックしたり、専門誌を読んだりして、知識をアップデートすることは欠かせません。
ロープレ（ロールプレイング）：新人営業マンは、先輩に付き合ってもらって商談の練習をすることもあります。お客様役と営業役になりきって、実践さながらの練習を繰り返すことで、提案力や対応力を磨いていくんです。

X（旧Twitter）でも、こんな風に頑張っている方の声が見られます。

仕事終わりのカフェ勉最高。
不動産営業は覚えること多すぎるけど、一個一個知識が繋がっていくのが面白い。
明日の商談、この知識活かせるといいな。#宅建 #不動産営業

こうした日々の積み重ねが、お客様からの信頼に繋がり、大きな成果を生み出すんですよね。

パターン5：未来の契約に繋がる人脈形成

特に法人営業や、高価格帯の物件を扱う営業マンにとって、人脈は財産です。そのための時間として、夜が使われることもあります。

会食・接待：取引先の企業の担当者や、有力な情報を持っている方との関係を深めるために行われます。単なる食事ではなく、ビジネスに繋がる貴重な情報交換の場なんです。
異業種交流会：弁護士、税理士、司法書士といった不動産取引に欠かせない専門家や、新規顧客を紹介してくれる可能性のある他業種の方々と繋がりを作るために参加します。
社内コミュニケーション：同じ会社の先輩や上司との食事も大切です。成功事例や失敗談を聞いたり、悩みを相談したりすることで、多くの学びを得ることができます。

もちろん、これらは強制されるものではありません。自分のキャリアプランに合わせて、必要だと判断した場合に参加するという方がほとんどです。

パターン6：意外と作れる！プライベートの充実

「仕事ばかりじゃないの？」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。むしろ、自分でスケジュールを管理しやすい不動産営業だからこそ、平日の夜を有効活用してプライベートを充実させている方もたくさんいらっしゃいます。

例えば、こんな過ごし方があります。

・仕事帰りにジムでトレーニング
・友人と食事や飲み会
・映画や観劇を楽しむ
・趣味のスクールや習い事に通う
・家族とゆっくり夕食を囲む

不動産会社の多くは、水曜日や火曜日・水曜日が定休日です。土日はお客様対応で忙しい分、平日の夜や平日の休日をうまく使って、リフレッシュしているんですね。オンとオフの切り替えが上手な人ほど、仕事でも高いパフォーマンスを発揮しているように感じます。

パターン7：知識を活かした副業・パラレルキャリア

最近では、本業の知識やスキルを活かして、副業に取り組む方も増えてきました。不動産業界も例外ではありません。

不動産ブログやSNSでの情報発信：自分が培った知識や経験を、これから家を買おう・借りようとしている人に向けて発信し、広告収入やアフィリエイト収入を得る。
不動産投資のコンサルティング：個人投資家向けに、物件選びのアドバイスなどを行う。
Webライター：不動産関連のメディアで、専門知識を活かした記事を執筆する。

もちろん、会社の就業規則で副業が認められていることが前提ですが、夜の時間を使って新たな収入の柱を築いたり、自分の市場価値を高めたりする動きは、今後さらに広がっていくかもしれませんね。

「夜」の時間をコントロールできる不動産営業求人の見極め方

ここまで読んでいただいて、「不動産営業の夜の使い方は色々あるんだな」「自分次第でコントロールできそう」と感じていただけたかもしれません。しかし、働きやすさ、特に夜の時間の使いやすさは、所属する会社の方針に大きく左右されるのも事実です。

ここでは、転職活動の際に、ワークライフバランスを保ちやすい会社をどう見極めれば良いのか、具体的なポイントをお伝えします。

求人情報から読み解くべき3つのヒント

求人票には、会社の働き方を知るためのヒントが隠されています。表面的な言葉だけでなく、その裏側まで読み解く意識が大切ですよ。

1. 給与欄の「みなし残業（固定残業代）」

「月給30万円（固定残業代45時間分／〇万円を含む）」といった表記を見たことはありませんか？これは、毎月一定時間分の残業代が、あらかじめ給与に含まれている制度です。

チェックポイント：
・固定残業の「時間」が長すぎないか？（例えば45時間を超える場合は、恒常的に残業が多い環境の可能性があります）
・超過分の残業代は別途支給されることが明記されているか？（これは法律で定められた義務です）

この制度自体が悪いわけではありませんが、会社が「このくらいの残業は常態化している」と考えている一つの指標にはなります。

2. 休日体系の「完全週休2日制」と「週休2日制」の違い

この二つ、似ているようで全く意味が違います。「夜」の自由度だけでなく、年間を通した働きやすさに直結するので、必ず確認してください。

完全週休2日制：1年を通して、毎週必ず2日間の休みがあります。（例：毎週火曜・水曜休み）
週休2日制：1年を通して、「2日間の休みがある週」が月に1回以上ある制度です。毎週2日休めるわけではないので注意が必要です。（例：第2・第4火曜と毎週水曜休みなど）

プライベートの時間をしっかり確保したいのであれば、「完全週休2日制」の会社を選ぶのがおすすめです。

3. 「事業内容」や「仕事内容」から社風を推測する

会社の文化は、働き方に大きく影響します。「チームワーク重視」「反響営業中心」といった言葉は、比較的働きやすい環境を示唆していることが多いです。

「チームで目標を追う」：個人プレーよりも、チームで助け合う文化がある可能性があります。一人で仕事を抱え込まずに済み、休みも取りやすい傾向があります。
「100%反響営業」：自ら電話をかけたり飛び込み訪問をしたりする営業（アウトバウンド）ではなく、広告などを見て問い合わせてきたお客様に対応する営業（インバウンド）が中心です。精神的な負担が少なく、効率的に働きやすいと言えます。
「DX推進中」「ITツール積極導入」：業務効率化に積極的な会社です。無駄な残業が少なく、スマートな働き方ができる可能性が高いでしょう。

面接で絶対に確認すべき5つの質問

求人票だけではわからないことは、面接で直接質問するのが一番です。遠慮せずに、自分の働く姿を具体的にイメージするための質問をしてみましょう。熱意のアピールにも繋がりますよ。

質問1：「差し支えなければ、社員の方の1日の平均的なスケジュールを教えていただけますか？」
→ 朝礼から退社まで、具体的な時間の使い方を聞くことで、入社後の働き方をリアルに想像できます。特に、夜の時間帯に何をしている人が多いかを聞いてみると良いでしょう。

質問2：「月間の平均残業時間はどのくらいでしょうか？」
→ 求人票の固定残業時間と合わせて確認します。「繁忙期は〇時間くらいですが、通常期は〇時間程度です」といった具体的な回答が得られると、より実態に近い情報を得られます。

質問3：「業務の効率化のために、どのようなITツールを導入されていますか？」
→ 会社の先進性や、従業員の負担を軽減しようとする姿勢がわかります。顧客管理システムやコミュニケーションツールなど、具体的なツール名が挙がるかどうかもポイントです。

質問4：「営業スタイルは、チームで協力する文化と、個人の裁量が大きい文化、どちらに近いですか？」
→ どちらが良い悪いではなく、自分の性格に合っているかを確認するための質問です。助け合いながら働きたいのか、自分のペースで自由に働きたいのかを考えてみてください。

質問5：「評価制度について、どのようなプロセスや基準で評価されるのか教えてください」
→ 単に売上数字だけでなく、お客様からの評価や業務プロセスなども評価対象になっているかを確認します。多面的な評価制度がある会社は、社員を大切にする傾向があります。

最終手段は「先輩社員の生の声」を聞くこと

会社の公式な情報だけでなく、実際に働いている人の「本音」を聞くことが、ミスマッチを防ぐ上で最も効果的です。

転職エージェントの活用：不動産業界に強い転職エージェントは、企業の内部情報（社風、残業の実態、離職率など）に詳しいことが多いです。客観的なアドバイスをもらえます。
OB/OG訪問：もし出身大学の先輩などがその会社にいれば、ぜひお話を聞かせてもらいましょう。一番リアルな情報源です。
企業の口コミサイト：匿名で投稿される口コミサイトも参考になります。ただし、ネガティブな意見に偏りやすい傾向もあるので、あくまで参考程度に、複数の情報を比較検討することが大切です。
SNSでの情報収集：X（旧Twitter）などで、社名や「不動産営業」というキーワードで検索すると、社員の方のリアルなつぶやきが見つかることもあります。