未経験から不動産転職|採用担当に「会いたい」と思わせる志望動機の例文5選

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「未経験から不動産営業に挑戦したいけれど、志望動機に何を書けばいいのか、全く思いつかない…」「自分のこれまでの経験なんて、アピール材料になるんだろうか…」

そんな風に、真っ白な応募書類を前にして、ご自身の経歴と向き合いながら、途方に暮れてしまってはいませんか?

たくさんの応募者の中から、その他大勢に埋もれることなく、あなたの魅力を見つけてもらうために、志望動機は本当に、本当に大切な役割を担っています。

それは、ただ経歴をなぞる自己紹介ではありません。あなたの想いや秘めた可能性を伝え、採用担当者に「この人に会ってみたい」と思わせる、いわば会社への一通の「ラブレター」のようなものなんですよね。

この記事では、未経験という立場を「弱み」ではなく、あなただけの「強み」に変えるための、志望動機の作り方を丁寧にお話ししたいと思います。具体的な例文も交えながら、あなただけの物語を紡ぐお手伝いができれば嬉しいです。

この記事でお伝えしたいこと

  • 不動産会社の採用担当者が志望動機で本当に見ている3つのポイント
  • 未経験からの転職でも「武器」になるあなたの経験とスキル
  • 採用担当の心を掴む、志望動機の「黄金の3ステップ構成」
  • 職種・アピールポイント別に使える、具体的な志望動機例文5選

転職で不動産会社の採用担当者は志望動機のどこを見る?未経験者に求める3つの視点

まずはじめに、採用担当者、つまり未来の上司になるかもしれない方が、あなたの志望動機から何を知りたいと思っているのか、その心の内を少しだけ覗いてみることにしましょう。

彼らは、毎日たくさんの応募書類に目を通す中で、キラリと光る「原石」を探しています。それは、決して立派な経歴や学歴だけではないんですよ。特に未経験の方の採用では、むしろ「これから」の可能性に、強い期待を寄せているんです。

視点1:なぜ「不動産業界」で「この会社」なのかという熱意

世の中には、星の数ほどの業界や会社がありますよね。その中で、なぜあなたは、あえてこの不動産業界を選んだのでしょうか。そして、なぜ他の会社ではなく、ウチの会社なのでしょうか。採用担当者は、まずこの純粋な問いの答えを知りたいと思っています。

「なんとなく稼げそうだから」「安定していそうだから」といった漠然とした理由では、残念ながら心には響きません。入社後のミスマッチは、会社にとっても、あなたにとっても不幸なことだと知っているからです。

大切なのは、あなた自身の価値観や、これまでの人生で感じた「原体験」に基づいて、あなただけの理由を語ることです。「お客様の人生最大の買い物に寄り添いたい」「街が創られていく過程に魅力を感じる」といった、あなた自身の言葉が求められています。

そのためには、応募する会社の企業理念や事業の強みなどを徹底的に調べ上げ、「貴社の〇〇という理念に深く共感しました」というように、その会社でなければならない理由を、具体的に伝えることが不可欠なんですね。

視点2:これまでの経験をどう活かせるかという「貢献意欲」

未経験だからといって、「教えてください」「勉強させてください」という受け身の姿勢は、禁物です。企業は、学校ではありません。採用担当者が知りたいのは、あなたが「これまで培ってきた経験やスキルを、入社後にどう活かして会社に貢献してくれるのか」ということです。

「私には、不動産業界でアピールできるような経験なんてない…」なんて、思わないでくださいね。例えば、接客業で培ったコミュニケーション能力や、事務職で培った正確な作業能力も、視点を変えれば、不動産営業の仕事で必ず活かせる、あなただけの立派な「武器」になるんです。

あなたの入社が、会社にとってどんな良い未来をもたらすのか。その可能性を採用担当者に想像させてあげることが、未経験というハンデを乗り越えるための鍵になります。

視点3:未経験だからこそ問われる「将来性」と「学習意欲」

専門知識や経験がない分、未経験のあなたには、それを補って余りある「ポテンシャル」、つまり「伸びしろ」が期待されています。

不動産業界は、宅建業法をはじめ、法律や税制、金融の知識など、常に新しいことを学び続けなければならない世界です。だからこそ、「新しい知識をスポンジのように吸収し、成長していきたい」という、高い学習意欲を持っているかどうかは、非常に厳しく見られています。

「入社後は、一日も早く業務を覚え、将来的には〇〇の資格も取得して、より専門的な立場から貢献したいです」というように、入社後のキャリアプランや、具体的な目標を語ることで、あなたの高いポテンシャルと本気度を伝えることができるんですよ。

この「熱意」「貢献意欲」「将来性」の3つの視点に応えること。これが、採用担当者の心を掴むための、最初のステップになるんですね。


未経験でも武器になる!不動産営業の志望動機に活かせる経験とスキル

「私には、本当にアピールできることなんてあるんだろうか…」そんな不安な気持ち、とてもよく分かります。でも、大丈夫。あなたがこれまでの社会人生活で、真摯に取り組んできた経験は、すべてが不動産営業という新しい舞台で輝く可能性を秘めた、大切な「武器」なんです。

大切なのは、その経験という「原石」を、不動産営業の仕事とどう結びつけて磨き上げるか、という視点です。ここでは、どんな職種の方でも見つけられる、4つの強力な武器をご紹介しますね。

武器1:職種を問わない「対人コミュニケーション能力」

不動産営業は、何千万円という高額な商品を扱うお仕事です。だからこそ、お客様との揺るぎない信頼関係が、すべての土台になります。その信頼を築く上で、コミュニケーション能力は欠かせません。

  • 接客・販売職の方:お客様の何気ない会話からニーズを汲み取り、ご満足いただける商品を提案した経験。
  • 異業種営業の方:担当顧客と粘り強く交渉し、長期的な信頼関係を築いてきた経験。
  • 事務職の方:電話口での丁寧な対応や、他部署との円滑な連携で業務を進めた経験。

大切なのは、ただ「コミュニケーション能力があります」と言うのではなく、「誰に対して」「どんな工夫をして」「どんな結果に繋がったか」を、具体的なエピソードを交えて語ること。そうすることで、あなたの主張に、リアリティと説得力が生まれるんです。

武器2:目標達成に向けた「課題解決力」と「行動力」

不動産営業は、個人やチームに与えられた目標(ノルマ)を達成することが求められるお仕事です。ですから、これまでに何か目標を立て、その達成のために努力した経験は、非常に高く評価されます。

ここでも、ただ「頑張りました」ではなく、「目標達成のために、立ちはだかる課題をどう分析し(Plan)、それを乗り越えるためにどんな行動計画を立てて実行し(Do)、結果を振り返って次にどう活かしたか(Check & Action)」という、PDCAサイクルを回した経験として語ることが大切です。

そうすることで、あなたの粘り強さだけでなく、論理的に物事を考える力もアピールできるんですよ。

武器3:営業職に不可欠な「ストレス耐性」と「粘り強さ」

お客様の大切な資産を扱う不動産営業は、時には厳しいご意見をいただいたり、予期せぬトラブルに見舞われたりすることもあります。そうした困難な状況でも、感情的にならず、投げ出さずに最後までやり遂げる精神的な強さは、とても重要な資質なんです。

「お客様からのクレームに対し、誠実に対応し、逃げずに解決策を探し続けた結果、最終的には『ありがとう』と言っていただけた」

「成果がすぐに出ない業務にも、腐らずに、地道な努力をコツコツと続け、目標を達成した」

こうした経験は、あなたの誠実な人柄と、精神的なタフさを伝える、何よりのエピソードになります。

武器4:異業種からの転職で光る「誠実さ」と「客観的な視点」

「業界の常識に染まっていない」ということは、未経験者ならではの、とても大きな強みになります。お客様の目線に立った、新鮮で客観的な視点から、既存のやり方にとらわれない新しい提案ができる可能性があるからです。

また、自分の利益のためではなく、「本当にお客様のためになることは何か」を第一に考えて行動した経験は、あなたの「誠実さ」を伝える上で非常に重要です。

目先の契約を急ぐのではなく、お客様の不安にどこまでも寄り添い、長期的な信頼関係を築こうとする姿勢。これこそが、不動産営業において最も尊ばれる資質の一つだということを、忘れないでくださいね。


【例文5選】未経験からの不動産転職で使える志望動機の書き方

さあ、あなたの「武器」が見つかったところで、いよいよラブレターを書き始めましょう。想いがたくさんあると、ついあれもこれもと書きたくなってしまいますが、相手に伝わる文章には、実は「型」があるんです。

この型に沿って、あなたの想いやエピソードを当てはめていくだけで、誰でも説得力のある志望動機が作れますよ。

志望動機作成の基本構成「PREP法」

その魔法のような型が、「PREP(プレップ)法」です。これは、Point(結論)→ Reason(理由)→ Example(具体例)→ Point(結論)の頭文字を取ったもので、あなたの話を、驚くほど分かりやすく、そして説得力のあるものに変えてくれます。

  1. Point(結論):「私が貴社を志望する理由は、〇〇です」と、まず最初に志望動機を一言で、はっきりと伝えます。
  2. Reason(理由):「なぜなら、前職で〇〇という経験を通じて、△△と考えるようになったからです」と、結論に至った背景や根拠を述べます。
  3. Example(具体例):「具体的には、〇〇という状況で、△△のように考え、□□と行動しました」と、あなたの主張を裏付ける、具体的なエピソードを語ります。ここが、志望動機で最も重要な、あなたの物語の部分です。
  4. Point(結論):「この経験で培った〇〇という力を活かし、貴社に入社後は、△△のようにお客様や会社に貢献したいです」と、未来への貢献意欲で、力強く締めくくります。

PREP法は、ビジネスコミュニケーションの基本として、経済産業省が提唱する「社会人基礎力」の中の「考える力」を構成する要素としても重要視されています。論理的に自分の考えを伝えるための、非常に有効な手法なんですよ。

前職・アピールポイント別の具体的な例文

それでは、このPREP法を使って作成した、具体的な志望動機の例文を5つご紹介します。ご自身の経験と照らし合わせながら、あなたならどう語るか、考えてみてくださいね。

【例文1】接客・販売職からの転職(ヒアリング力アピール)

私が貴社を志望いたしますのは、お客様一人ひとりの人生に深く寄り添い、最高の満足を提供するという理念に強く共感したからです。前職のアパレル販売では、お客様との何気ない会話からライフスタイルや隠れたニーズを汲み取り、ご本人も気づいていなかった「なりたい自分」を叶えるご提案を心がけてまいりました。この経験で培ったヒアリング力と提案力は、お客様にとって一生に一度の買い物である「住まい」をご提案する上で、必ず活かせると確信しております。未経験からの挑戦となりますが、一日も早く専門知識を吸収し、お客様の夢を形にするお手伝いができる営業マンを目指します。

ポイント解説:
「服」を「住まい」に、「なりたい自分」を「理想の暮らし」に置き換えることで、異業種でも共通する顧客志向の姿勢をアピールしています。未経験であることを認めつつ、即戦力になりうるポテンシャルを示している点が好印象です。

【例文2】異業種営業からの転職(目標達成力アピール)

形のない商材を扱う中で培った、お客様との信頼関係を構築する力と、目標達成への執着心は、高額でお客様の人生を左右する不動産という商品を扱う貴社でこそ、最大限に発揮できると考えております。前職ではITソリューションの法人営業として、常にお客様の課題解決を第一に考え、目標達成にコミットしてまいりました。特に、新規顧客開拓においては、自ら市場を分析し、粘り強くアプローチを続けた結果、年間売上目標を120%達成することができました。お客様の資産形成に貢献するという貴社の事業に大きな魅力を感じており、これまでの営業経験を活かして、即戦力として貢献したいです。

ポイント解説:
「120%達成」といった具体的な数字を入れることで、目標達成能力に説得力を持たせています。「形のない商材」から「形のある高額な商材」へ、というフィールドの変化をポジティブに捉え、挑戦意欲の高さを示しているのがポイントです。

【例文3】事務職からの転職(サポート力・正確性アピール)

営業事務として5年間、営業担当者が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、契約書類の作成や顧客管理といった面からサポート業務に徹してまいりました。心がけていたのは、常に先を読んで行動することと、ミスのない正確な業務です。この経験を通じて、お客様との信頼関係は、華やかな営業活動だけでなく、地道で丁寧なバックオフィス業務に支えられていることを実感いたしました。今後は、自らがお客様の前に立ち、培ってきたサポート力と正確性を活かして、お客様に安心感を与えられる営業になりたいと考えております。お客様の人生に長く寄り添う貴社の姿勢に惹かれ、志望いたしました。

ポイント解説:
事務職の経験を「受け身」ではなく、「能動的なサポート」として語ることで、主体性をアピールしています。不動産取引に不可欠な「正確性」や「丁寧さ」という強みを前面に出し、営業職への転身理由を明確に示している点が秀逸です。

【例文4】第二新卒・社会人経験が浅い場合(ポテンシャルアピール)

学生時代の飲食店でのアルバイト経験を通じて、お客様の笑顔に直接触れることのできる仕事に、大きなやりがいを感じてまいりました。お客様の人生における「衣食住」の中でも、最も大きな喜びと感動を生み出す「住」の分野で、若さを武器に、誰よりもお客様のために汗を流せるプロフェッショナルになりたいと考えております。社会人経験は浅いですが、その分、どんな知識も素直に吸収し、誰よりも早く成長する自信があります。貴社の充実した研修制度のもとで、一日も早く一人前の営業マンになり、会社の成長に貢献していく所存です。

ポイント解説:
社会人経験の浅さを正直に認めつつ、それを「若さ」「素直さ」「成長意欲」といったポジティブな言葉に変換しています。企業の研修制度に触れることで、企業研究をしっかり行っていることと、学習意欲の高さを同時にアピールしています。

【例文5】宅建学習中をアピールする場合(学習意欲アピール)

(自己PRや志望理由の最後に)現在、不動産のプロフェッショナルとしてお客様に最高のサービスを提供したいという想いから、宅地建物取引士の資格取得に向けて毎日3時間の学習を続けております。現在は権利関係の分野を学んでおり、法律の知識を深めることの面白さと、その責任の重さを日々実感しております。未経験ではございますが、この学習意欲と知識を一日も早く実務に活かし、貴社の戦力となるべく尽力する所存です。まずは、今年の10月の試験での一発合格を目指しております。

ポイント解説:
「毎日3時間」「権利関係の分野」など、学習状況を具体的に示すことで、口先だけではない本気度を伝えています。「責任の重さを実感」という言葉で、仕事への真摯な姿勢もアピールできます。入社への強い意欲を示す、非常に効果的な一文です。


なぜ未経験からの不動産転職で志望動機が重要だったのか、その理由のまとめ

未経験から不動産営業への転職を目指すあなたのための、志望動機の書き方についてお話ししてきました。最後に、この記事でお伝えしたかった大切なことを、もう一度、心に留めておきましょう。

  1. 志望動機は、あなたからの「ラブレター」
    採用担当者は、あなたの熱意、ポテンシャル、そして人柄を知りたがっています。あなただけの言葉で、正直な想いを伝えましょう。
  2. 未経験はハンデではなく「強み」になる
    これまでのどんな経験も、視点を変えれば不動産営業で活かせる「武器」になります。自信を持って、ご自身の強みをアピールしてください。
  3. 伝わる文章には「型」がある
    「結論→理由→具体例→結論」というPREP法で、論理的で説得力のある志望動機を作成しましょう。
  4. 主役は、あなただけの「物語」
    例文は、あくまであなたの想いを伝えるための「器」です。その器に、あなた自身の正直な気持ちという「魂」を込めてこそ、人の心は動かされるのです。

志望動機を書くという作業は、自分自身と深く向き合う、とても良い機会でもあります。「自分はなぜこの仕事がしたいんだろう?」「自分の強みって何だろう?」と、じっくり考えてみてください。

その先に見えてきたあなたの正直な想いは、きっと、面接の場でもあなたを支えてくれる、心強い味方になってくれるはずです。